前作「パパはカッパか!?」に続く、リコとリモの物語の第二弾。
ちょっと臆病で編み物が大好きな男の子リモと、運動神経抜群でいつも勝気な女の子リコの田舎町での素敵な物語が帰ってきた。
今回は、双子の姉であるリコが、地域の神社で行われる相撲大会に出たいと奮闘するお話。
馬尻沼の近くにある神社では、秋になると、恒例の子供相撲が行われる。
秋の収穫を神様に感謝するためのものだが、なぜか、そこには男の子しか出られないというルールがある。
女の子が土俵に上がると、神様が怒って悪いことがおこるかもしれないというのだ。
伝統行事だから、勝手にやり方を変えてはいけないという理屈もわからないわけではないが、やっぱり子供相撲に出てみたいと願うリコ。
けれども、友達のマキトのじいちゃんから、わざわざ苦情の電話がかかってきて、リコはすっかり落ち込んでしまう。
そんな中、馬尻沼のほとりで古河さんという奇妙なおばあさんと出会ったリコは、そのただならぬ気配に、さすがに恐怖を感じるのだが・・・。
リコとリモをはじめとする子供たちの日常の中に、カッパの存在がおぼろげに入りこみ、頑なになった心をほぐしてくれる展開が、自然体で素晴らしい。
男勝りで勝気だったリコの揺れる心の描写も、繊細に描かれ魅力的だ。
恐ろしいと思われていたカッパたちとの交流によって、こうであらなくてはならないという人間社会の偏見を力に頼ることなく変えていく様子が、大上段に構えることなく語られていくストーリー運びには、著者ならではの文学性を感じる。
暗い話題ばかりが飛び交う現代だからこそ読まれたい、さわやかな子供たちの物語。
前作に続いて挿絵を担当している下平けーすけ氏のイラストが、作品世界に大変マッチしている点にも注目したい。