今日は、みなさんにとっておきのヒミツを教えますね。それは、黄鬼くんたちといつもいっしょにお仕事をしている桃太郎が桃ちゃんという名前の女の子だっていうこと。
でも、桃ちゃんは、とってもいばりんぼなのです。だって、鬼を退治する正義の味方ですからね。おかげで、黄鬼くんたちは、いつも、桃ちゃんに命令ばかりされています。
「ちょっと、あんたたち、あたしにやられるときは、もっとハデにたおれてよね。桃太郎が強く見えないじゃない」
今日も、黄鬼くんたちは、桃ちゃんからお小言をもらいました。すると、たまりかねた赤鬼くんがいいかえしました。
「桃ちゃんこそ、そうやっていばるのよくないよ。もっと、みんなと仲よくしなきゃあ」
青鬼くんも、口をとがらせていいました。
「そうだよ。正義の味方なんだから、みんなにやさしくしてほしいな」
これには、さすがの桃ちゃんも、こまった顔をしました。
「わ、わかったわよ。しんせつにすればいいんでしょ?じゃあ、仲直りにこれあげる」
そういって、桃ちゃんは、腰のキビだんごを黄鬼くんたちに手わたしました。
「ありがとう!」
黄鬼くんたちは、大喜びでキビだんごにぱくつきましたが、それを見ていた桃ちゃんは、勝ちほこったようにいいました。
「みんな、食べたわね?それを食べたら、わたしの家来にならなくちゃいけないのよ。だって、物語では、キビだんごをもらった犬とサルとキジは、桃太郎の家来になって鬼退治に行くんだからね」
黄鬼くんたちは、しまったと思いましたが、もう手おくれです。
「さあ、家来たち!わかったら、わたしのいうことをききなさい!」
頭もいい桃ちゃん。桃ちゃんのいばりんぼのくせは、とうぶん治りそうにありませんね。