タッくんのシャボン玉は魔法です。だって、おうちの庭でタッくんがシャボン玉をふくと、きまってチョウチョが飛んでくるんですから。
もともと、タッくんのおうちの庭には、花がいっぱい咲いています。お父さんもお母さんも、花が大好きで、毎年、いろんな花を育てます。
だから、季節があたたかくなると、モンシロチョウやアゲアチョウがぴらぴらとやってきます。
そんなときに、タッくんがシャボン玉をふきます。
すると、チョウチョはタッくんのそばまでまってきて、シャボン玉と遊んでいくのです。
ぴらぴら、ぱたぱた・・・。ときどき、羽をとめて、すーっと下がったり。
でも、ほんとうはタッくんは知っています。シャボン玉作りにつかう台所の洗剤が、お花のようにとってもいいにおいがするってこと。
お母さんは、タッくんに注意します。
「あまいにおいがしても、ぜったいにのんだりしちゃだめよ」って。
「そんなのわかってるよお。だって、ぼく、もう一年生だよ」
タッくんは、ほっぺたをふくらめます。
でも、チョウチョはわかっているでしょうか?おいしそうなにおいだと思って口をのばしたら洗剤だったなんて、ちょっとかわいそうです。
タッくんは、またシャボン玉をふきます。シャボン玉をふきながら、「チョウチョさん。あまいにおいがしても、シャボン玉たべないでね」お母さんのまねをして、そう心の中でつぶやきます。
すると、そんなタッくんの心の声が聞こえたかのように、チョウチョは、シャボン玉からはなれていきます。
チョウチョと話せる、ふしぎなシャボン玉。やっぱり、タッくんのシャボン玉は魔法なのです。