小学六年生の由希は、何かにつけて「どっちの気持ちもわかってしまう」優柔不断なお母さんにあきれている。
「おまえはお姉さんなんだから」と言って、サッカークラブに入っている弟ばかりをかわいがるお父さんのことも気に入らない。
なんでも勝手に決めつけないで!
そんな不満たらたらの由希が、ひょんなことから手芸クラブのクラブ長になってしまう。
けれども、支えになってくれると約束していたはずの同級生の莉奈は、ちっとも支えになってくれないし、書記長となった一学年下のひかるは、自分勝手なことを言いたい放題。
こんなので、バザーに参加するというけれど、本当にどうなっちゃうの?
成り行きで手芸クラブのクラブ長になってしまった由希の奮闘が始まる。
はじめは、みんなバラバラでまとまりに欠けた手芸クラブ。
でも、みんなの意見を聞き、行動を見ているうちに、由希は、それぞれがそれぞれの立場で生きていることを知っていく。
もしかしたら、決めつけていたのは、こっちなのかも?
多感な少女の成長が安定した文体で描かれた、昨今話題の手芸クラブストーリー。